この仕事をしていると、様々な年代の方と出会い、お話する機会があります。
50代の方、60代の方、70代、80代の方、たまには90代の方とも。
さて、50代に差し掛かると多くの方が
「親の荷物が片付かなくて…」
「父の遺品を母が捨ててくれなくて…」
「昔からの荷物が(全然使っていないのに)、家にあふれていて…」と、
ご高齢になった親の片づけについて、悩まれています。
今回は、
「親に片づけてほしい! でも片づけてくれない! どうしよう?!」
…と、悩んだ時の心がけを3つ、お伝えします。
1 自分の思いや気持ちを整理する
身内であればあるほど、心の距離が近ければ近いほど、
自分の正義感で相手のことを判断しがちになります。
「こんなんじゃ暮らしにくいでしょ!捨てなよ!」…と
こちらは優しさのつもりで言っていても、相手には届きにくいものです。残念ながら。
まずは、
「なぜ、親に片づけをすすめたいのか」
「なぜ、もっと年老いてからではなく"今"片づけをしてほしいのか」
「親にどんな気持ちで暮らしてほしいと、自分は思っているのか」
など、書き出すなどして、自分の気持ちを整理することから始めましょう。
そうすることで、親にも「なぜ片づけてほしいと思っているのか」を冷静に話せるようになります。
2 片づけについて、自分のチャレンジを見せる
「いいかげん、片づけたらどうなの?」…と、一方的に伝えるのではなく、
まずは自分のテリトリー(守備範囲/自分の意志ひとつで自由にできるスペース)を、
正しい手順で片づけていきましょう。
正しい手順とは、整理→収納、そして日常生活では使った物を元の位置に戻して、綺麗な状態をキープすることです。
「私の部屋はキレイです!」という方もおられるでしょうが、整理から丁寧に一ヶ所ずつ、片づけながら、その中での気づきを親に話されることをおすすめします。
家族であっても、親とあなたは別の人。
どんなに頑張っても、他人を変えることはできないのです。
昔から、「過去と他人は変えられない」と言われていますね。
一方で、未来と自分のことは、変えることができるのです。
他人に感銘を与えるのは、いつだって「行動している姿」なのです。
3 初めから捨てさせようとしない
「じゃあ、ちょっと頑張って片づけてようかな…」と、言葉が出てきたら、捨てることよりも、分けることに重点を置いて片づけを一緒に進めるのが良いですね。
整理というのは「モノを分ける」ことです。
捨てることではありません。
ここぞとばかりに捨ててしまうと後で
「アレッ! 本当は必要だったのに〜
やっぱり捨てると必要になるのね、捨てちゃダメってことね」
と思い込みを強化しかねません。
特に、長く生きていればいるほど「アレッ捨てちゃった…?」と後悔されやすいようです。
まずは、使う・使わない、に分けるところから始めましょう